今さら聞けないYouTube広告の出し方

ショップや治療院などの経営者さんや中小企業の広報宣伝の担当者さんからよくこんな問合せを頂きます。「せっかく動画を制作してもらったけど、どうやってYouTubeへ出すの?」「そもそもYouTubeでいいの?」「効果的な使い方はあるの?」

初めての動画広告、右も左も分からない!せっかく時間とお金をかけて制作したPR動画が活用しきれなかったでは、もったいないですね。でも、安心してください!今回はYouTube広告の出し方を初めての人にも分かりやすく、全行程を画像付きで徹底解説したいと思います。

 

動画広告の軸となるYouTube

日本のSNSには、YouTube、Facebook、インスタグラム、Twitter、LINEなどがありますが、中でもYouTubeは動画の媒体としてその人気は突出していて、30代、40代が利用しているSNSにおいて「YouTube」がNO.1を獲得。※(2018年ドゥ・ハウス調べ)18~64歳のネット人口の約8割がYouTubeを視聴しているとされています。

 

動画広告を出す上では基本軸となるメディアのYouTube。それが故に広告の種類も多く、複雑で混乱してしまう人も多いのが事実です。では、どんな種類があるのか見ていきましょう。

YouTube広告の種類

YouTube広告には主にこんな種類があります。

①True Viewインストリーム広告

動画の頭や途中に入る基本的な動画広告

スキップ可能:動画の前後、または途中で再生される動画広告です。5 秒が経過すると、広告をスキップできるオプションが表示されます。

スキップ不可 : 他の動画の再生前、再生中、または再生後に再生される 15 秒以下の動画広告です。この広告をスキップすることはできません。

②バンパー広告

動画の頭や途中に入るスキップできない6秒以内の短い動画広告

動画の頭や途中に入るスキップできない6秒以内の短い動画広告

動画の再生前、再生中、または再生後に 6 秒以内で再生されます。この広告をスキップすることはできません。短くて覚えやすいメッセージで幅広いユーザーにリーチするときに使用します。

③TrueView ディスカバリー広告

動画の検索結果関連動画に出る画像とテキストの広告

画像:広告掲載|YouTube

YouTube 検索結果、YouTube トップページ、関連動画の横に表示され動画のサムネイル画像とテキストで構成されます。広告のサイズや表示形式は表示先によって異なりますが、ユーザーがクリックすることで動画が再生されます。動画は、YouTube の動画再生ページまたはチャンネル ページなどで再生されます。

他にもアウトストリーム広告、マストヘッド広告などがありますが、今回は基本的な広告タイプだけをご説明しました。

 

費用はいくらかかる?

配信される広告はオークションで来まる

YouTube広告の出稿はオークション(入札)方式となっています。「え?オークションって何?誰かと競うってこと?」その通りです。例えば、同じ広告枠・同じターゲット設定で2つの会社が動画広告を出すとします。すると、この2つの会社のどちらの動画広告を配信されるのか、競りになるということです。つまり費用は自分で決めるのです。

安価から気軽に始められる

例えば、一日500円を上限に設定するとしても、1カ月にかかる費用は15,500円程と、コストを抑えて始めることができます。テレビCMと違って期限や金額を自由に変えたり途中でやめることも可能です。まずは安めの設定から試して、効果をみながら調整していきます。

スキップされたら広告費は発生しない設定も可能

YouTubeの広告は30秒以上視聴されるか、動画上に表示されているリンクをクリックされた場合にのみ広告費が発生するように設定することも可能です。

または、単純に広告がブラウザ上に表示された回数で課金される設定も選べます。

【参考】Google:動画広告フォーマットの概要

 

YouTubeの動画広告を始める前に準備すること

YouTubeの動画広告を出稿するためには以下のことをする必要があります。 

①動画をYouTubeにアップロードする

広告にしたい動画を、自社のYouTubeにアップロードしてください。YouTubeアカウントを持っていない方は、アカウント開設から始めましょう。

②Google広告へ登録する

YouTubeはGoogleが提供するサービスの一つですので、Google広告(旧グーグルアドワーズ)へ登録してくださいGoogle広告

 

YouTubeの広告を出稿してみよう

さあ、いよいよ動画広告を出稿をしましょう。会社によって設定は違いますが、今回は初めてなので基本的な設定の一例をご紹介します。これが正解ではありませんので、あくまで例として自社に適した設定を加えたり変えていってくださいね

 

新しいキャンペーンを作成する

Google広告へ登録するとこんな画面がひらくと思います。

まずは左側メニューにある①「キャンペーン」を選択し②「+」プラスマークをクリックするとプルダウンメニューが出ます。

そこから「新しいキャンペーンを作成」を選んでください。Google広告ので言う「キャンペーン」とは、 広告を設定する時の階層のひとつです。今後、必要によって増えていくものです。

 

動画広告を出す上で、あなたのGoogle広告のアカウントの中は下の図のような構造になっていて、各設定で変えられることが異なります。今はあまり深く考えずに見て頂ければと思います。

Google広告 キャンペーンの階層のイメージ(動画広告)

キャンペーンで達成したい目標を選択する

つぎに、達成したい目的を選ぶのですが、今回は、見込み顧客の獲得を目的とすることにして、①「見込み顧客の獲得」と②「動画」をそれぞれ選択し③「続行」をクリックします。

 

広告配信の具体的な設定をする

いよいよ、広告配信の具体的な情報を入力していきます。

キャンペーン名:広告の管理するための名前①を入力します。

今後、複数の広告キャンペーンを配信する場合もあるので、後で自分で認識できるようにわかりやすい名称にします。後で変更もできるので、そのままでも構いません。

入札戦略:②「コンバージョン数の最大化」

入札戦略は冒頭で選んだ目標により選べる項目が変わります。今回は、「目標コンバージョン単価」か「コンバージョン数の最大化」のどちらかを選びます。

これらはGoogle広告自動入札機能のひとつで、自分で入札額を設定しなくてもGoogleが計算して入札額を自動調整してくれる便利な機能のことです。

■目標コンバージョン単価:指定した目標コンバージョン単価以下でコンバージョンを最大限に獲得できるように入札単価を自動調整

 

■コンバージョン数の最大化:指定の予算を消化しつつ最大限のコンバージョン数が得られるよう、入札単価を自動設定

Google広告ヘルプより

ふたつの違いはこう明記されています。専門用語が多くてよくわかりませんよね。コンバージョンとはクリックや資料請求など、広告によって出したい「成果」のことです。説明がとても長くなるので結論から言うと、今回は初めての広告なので、「コンバージョン数の最大化」を選びます。

なぜなら「目標コンバージョン単価」は、過去のコンバージョンデータが十分に蓄積されてないと効果を発揮できないからです。

なので、今回は「コンバージョン数の最大化」を導入してコンバージョンを増やしたら、「目標コンバージョン単価」を導入するという流れでいきたいと思います。

 

予算と日程

予算:①「日別」か「キャンペーンの合計」か選び②金額を入力します。

「日別」とは 1日当たりの広告に使ってもいい平均の予算 、「キャンペーンの合計」は キャンペーンの合計予算 です。自分で管理しやすい方で構いません。

 例えば)

日別:¥500 または 

キャンペーンの合計 :¥5000  など

日程広告の配信②「開始日」と③「終了日」を設定します。

配信期間を決めるのですが、動画広告はすぐに配信したくてもGoogle自動審査で承認されないと配信できません。( 審査 時間の目安は1営業日以内)なので配信スケジュールの設定には余裕をもちましょう。初めての配信でデータをとる目的なら、2週間程度は配信するのがおススメです。

ネットワーク:そのまま

言語:日本語

日本向けの広告は「日本語」でいいでしょう。海外・外国人向けの広告の場合は、対応する言語を選んでください。

地域:「日本」か 「別の地域を入力する」

オンラインで販売する日本全国向けの商品やサービスであれば、「日本」でいいでしょう。例えば、もし店舗があって商圏が限られてる場合は「別の地域を入力する」を選択し、地域名(例えば大阪、京都など)を選ぶこともできます。

設定完了まで
まだまだ! 25%

コンテンツの除外、除外済みのタイプとラベル:そのまま

性的、暴力、年齢制限のあるコンテンツを除外するかを選ぶ設定です。いずれは細かく指定するといいですが、今回はそのままで構いません。

 

その他の設定: そのまま

その他の設定は今回は全てそのまま変えずにいきますが、一応、内容について簡単に説明します。

コンバージョン そのまま

デバイス そのまま

「すべての対象デバイス」のままでいきます。ここでは視聴者がPC、モバイル、タブレット、テレビのどのデバイスであなたの広告をみることができるかを設定します。 また、デバイスで使用されているOSの種類、端末の型(iPhone、Androidなど)通信事業者を選ぶことができます。

フリークエンシーキャップ:そのまま

そのまま「選択なし」でいきます。同じ視聴者に同じ広告が過剰に表示される事を制限する設定です。 ボーナス時期などは広告の表示回数を上げることが効果的な場合もありますが、 過剰な広告の露出回数は視聴者の反感を買うリスクがあるので、いずれ今回広告を出してみて得たデータを見ながら設定を調整していくことが必要になります。

広告のスケジュール そのまま

ここでは、いつの時間に広告を配信するか曜日ごとに設定できます。そのままにすると24時間で均等に広告が配信されることになります。すると深夜など、広告の効果が少ない時間帯にも配信されてしまい、費用がムダになったりしますので、本来はユーザーの視聴時間に合わせて設定するべき項目です。

ですが、今回は初めての広告配信で、自社の商品やサービスはどの曜日のどの時間帯に広告を出したら効果的なのか、まだ分かりませんよね。ということで、まずはデータを取りたいので、「すべての曜日の0:00~0:00」そのままにします。

設定完了まで
もう半分! 50%

広告グループの作成

 

  • ポイント 

広告グループでは、「 ユーザー」「コンテンツ」それぞれに設定ができます。

①ユーザー:広告を見る人

②コンテンツ:広告の表示場所

広告グループ名:広告グループ名を入力します①。広告グループではあなたの広告のターゲットの世代、性別、地域などを設定できます。他の広告グループと区別できるよう、わかりやすい名前にしましょう。設定後、変更もできるので初期設定のままでも構いません。

 

ユーザー:広告を届ける人を設定する

ユーザー属性:(あなたの広告のターゲットを選択します)

ターゲットの条件を選択することで、あなたのターゲットの年齢層や性別に広告を強化して配信できます②。

「性別・年齢 ・子供の有無 ・世帯収入」

例えば、女性向けのコスメ商品なら、性別は「女性のみ」、ファミリー向けの商品なら、「子供あり」というようにあなたの商品・サービスに合わせて選んでください。

  • ポイント  世帯収入ってホント?

「世帯収入まで設定できるの?」と思った方もいるかもしれません。世帯収入の数字はあくまで、Googleがユーザーの行動に基づいて出した予測値。100%確実なデータではないということが前提です。

そして上位〇%というのは、該当地域の年収「上位○%」という意味です。例えば、大阪において世帯収入が上位〇%の層。そこに絞って広告を出すか選ぶことができます。

使い方としては、高級車などの富裕層向けの商品なら、世帯収入上位10%だけを設定する、という使い方ができます。

いずれにせよ、戦略次第ですが初めはあまり絞り込みすぎずに、広めに設定してデータをとってテストをするのも手です。

 

オーディエンス

オーティデンス設定は設定できることが多く、混乱することも多いと思いますので今回は基本的なことだけご説明します。

オーディエンス設定では、ユーザーの属性や興味や関心などを選びます。そうすることで、 広告を表示させるユーザーを絞り込むのです。 選べる項目は以下のような内容です。

    • ユーザーの属性(配偶者がいる、家所有 )など
    • 興味や習慣(料理愛好家、スポーツファン、旅行好き)など
    • お客様のビジネスを利用した方法(過去にあなたのサイトを利用した)など
    • 積極的に調べている情報(車の購入を考えている)など

ここで選んだユーザーのグループが「オーディエンスクループ」です。

 

上の画像の「閲覧」タブをクリックすると先ほどの項目が出てきます。
ではひとつずつ内容をみていきましょう。

  • ユーザーの属性

ユーザー属性は、先ほど選んだユーザー属性よりもう少し深く、例えば子供や配偶者の有無や住宅所有者などを指定して広告を表示します。

  • 興味や関心、習慣

アフィニティ カテゴリ

興味、関心は、ユーザーが関心がある項目をアフィニティカテゴリと呼ばれるカテゴリから選択できます。その項目に関して、強い興味を持っているユーザーに広告が配信されます。どちらかというと長期的な興味関心を持つユーザーですので、「ブランディングや認知」に適しています。

カスタムアフィニティカテゴリ
オーディエンスに関連する 興味や関心、 URL、 場所、 アプリを指定できます。

  • ユーザーが積極的に調べている情報や立てている計画

カスタムインテントオーディエンス
カスタムインテントオーディエンスは、ユーザーが最近Googleで検索したキーワードを元に設定することができます。これはカテゴリから選ぶのではなくキーワードで設定します。アフィニティ カテゴリと似ていますが、こちらは購買意欲がより高いユーザーですので、「商品・サービスの販売」に適しています。

購買意欲の強いオーディエンス
購入意欲の強いオーディエンスは、Googleがユーザーの検索行動やアクセスの傾向から調べた、購買意向の強いユーザーを、サービスや商材、イベント毎にカテゴライズしたものです。

あなたが提供する商品やサービスに似たものを調べているユーザーも含まれます。この項目は、カテゴリから選ぶのですが、もし、あなたのアピールしたい商品やサービスに関連するカテゴリがない場合はここでは選ばず、「カスタム インテント オーディエンス」で選びましょう。

ライフイベント
ライフイベントは、たとえば、引っ越しや就職・結婚のように人生の節目を迎えているユーザーを選ぶことができます。

例えば、「引っ越し」の予定があるユーザーに家具や家電、引っ越しサービスなどの広告を出すと興味を持ってくれるかもしません。

  • お客様のビジネスを利用した方法
  • ポイント  設定する項目が多すぎる?

ユーザーに対して設定できる項目、とても多すぎて選べない!と思った人もいるかもしません。例えば、コスメ商品の販売なら以下のようなターゲティングができます。

(例)「コスメ商品を販売したい」
「購買欲の強いユーザー」から「スパ、美容サービス」を選ぶ

もっと慣れてくれば、 キャンペーンを何個か作成し各キャンペーンごとにターゲットのグループを変えて広告を出します。そうすれば、どのグループの成果が一番高かったかなどを比べることができます。

設定完了まで
あと少し! 70%

コンテンツ : 広告を表示する場所

先ほどはユーザーを指定しましたが、今度は広告を表示する場所を絞り込みますよ。あと少しで終わります。がんばってくださいね。

コンテンツは「キーワード」トピック」またはプレースメント」という項目で広告を表示する場所を絞り込む設定できます。それぞれ見ていきましょう。

 

キーワード:キーワードから配信場所を選ぶ場合

 キーワードターゲティングでは、あなたがキーワードを入力し、そのキーワードに関連するYouTube動画やチャンネルなどへ広告が配信される設定です。キーワードは上の左欄の赤枠に直接入力します。(複数入力する場合は改行で区切る)

単純にあなたの商品やサービスのキーワードだけではなく、あなたのターゲットとなるユーザーが好んで観る動画が何かを考えるといいでしょう。彼らのお悩みや欲求から想像してみるといいかもしれません。

自分で自由の入力するのではなく、キーワード候補から選ぶことも可能です。右欄の「キーワードの候補を取得」の赤枠にあなたのビジネスに関連する「ウェブサイトのURL」か、あなたの商品・サービス名を入れれば、キーワード候補を出してくれます。自分では思い浮かばないキーワードが出てくるので、この方法はおススメです。

 
 

トピック:カテゴリからら配信場所を選ぶ場合

トピックターゲティングはトピックと呼ばれる(上の赤枠)カテゴリの中から選ぶことができ、その選んだカテゴリと関連の高いYouTube動画に広告を配信させることが出来ます。

たとえば、「健康」トピックをターゲットに選ぶと、健康関連の動画を視聴しているユーザーに広告が表示されることになります。ただし、「健康」だと広告が表示される範囲が広すぎるので、「健康」の中のトピックを開き、より小さめのトピック「ヘルスケア」の「アレルギー」などから選んだ方がいいでしょう。

 
 

プレースメント:ピンポイントで配信場所を選ぶ場合

プレースメントとは、あるYouTube動画やYouTubeチャンネル、ウェブサイトをピンポイントで指定して広告を配信する設定です。
例えば、あなたのビジネス関連で人気の「〇〇動画チャンネル」が広告枠を準備していれば、そこにピンポイントで広告を配信がすることが可能なのです。

動画広告を作成する

さあ、いよいよ、あなたの広告用の動画をアップロードします。上の赤枠であなたの動画を検索するか、動画のURLを貼り付けます。

すると、上のような表示が出てきますので、赤枠に入力します。
「最終ページURL」:広告をクリックしたユーザーに表示したいウェブサイトやランディングページのURLを入力

「表示URL」:最終ページURLと同じか、短縮版URL

「行動を促すフレーズ」:✔を入れる

「行動を促すフレーズ」:広告の①に入るユーザーへ行動を指示するフレーズを全角5文字以内で入力。例)「今すぐ購入」「見積り依頼」「詳細を確認」など

「広告見出し」:広告の②に入る見出しを全角7文字以内で入力。商品のメリットや特徴など、最もユーザーに注目されやすい文字を。

 

設定完了まで
お疲れさまでした! 100%

まとめ

いかがでしたか?とても多くの設定がありましたが、動画広告の運用において、この設定をしたら間違いないという黄金の広告設定はありません

それはあなたの業種やあなたの商品・サービスが違えばターゲットやターゲットの行動も違うからです。なので、広告を効果的に出すためには、広告を出したデータを集めて、それを元に調整して、ベストな設定を探っていく作業が必要になります。

「広告って出したら終わりじゃなくて、調整が必要なの?気が遠くなりそう~」と思う気持ちも分かります。ですが、初めは難しくみえても、ひとつひとつ調整してテストしていけば、確実に強力な広告宣伝ツールになっていきます。せっかく作った動画広告。ゆっくりでいいので少しずつ道を作って、あなたの商品やサービスを欲しいお客様の目の前に届けてあげましょう。

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